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揃う

粗忽ものな方だと思う。たとえば、5枚一組のお皿など一つとして揃っているものがない。グラスもいいものは次々に割ってしまい、残るのは丈夫なカフェグラスだけ。割れた時にはガックリ来るのだが、あまり後を引きずらない。「形あるものは滅す」である。

ところが、なぜか時々「揃っている」ことに執着することがある。この間も、残り物を留めるクリップが6個あるはずなのにどこに使ったのか1個の所在がわからず気になって何日も探し回った。あった。乾物をしまっておく引き出しに入っていた。頭の隅とはいえ、このクリップ1個のために神経を使っている自分が自分で滑稽なのだが、見つけたときの嬉しさといったら、まるで宝さがしの気分である。

景品でもらったお皿。大抵は一枚である。ところが、バザーとかフリーマーケットで同じ皿を見つけて「揃えられる!」とわかった時、そもそも景品なのだからタダ同然のものをお金を出して買うというのはどうなの?などと考えながらも、その誘惑に打ち勝つのはかなり難しい。どうせそのうち割ってしまうんだろうけれどさ。

こんなことを考えていたら、まだ子どもが小さかった頃積み木の一つがなくなってひどくがっかりしたことを思い出した。2歳くらいだった息子がその積み木を見るたびに「ないねぇ」って言っていたから、たぶん私がしまうたびに「ないねぇ」と残念そうに言っていたに違いない。積み木だけではない。パズルとか、ブロックとか、おもちゃは大抵半端になる。ところが積み木だけはなんとなく揃っていないと寂しかったのだ。あれも、私の「揃っている」魂を刺激したものだったんだろうな。

変な習癖だと思うが、そういえば私よりもつわものがいたっけ。同じアパートに住んでいたIさん。「積み木はなくされると嫌だから遊ばせないようにしまっているの」というのを聞いて、そこまでしなくともと思わず絶句したのも、なつかしい。

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